ソーシャルワーカーが信頼関係構築上手になる超基本&3つの秘訣
今回はソーシャルワーカーとして仕事をする上でなくてはならない
クライエントとの信頼を上手に築けるようになる秘訣
をお伝えします。
私もソーシャルワーカーとして日々クライエントさん・関係各機関とコミュニケーションを取りますが、改めて信頼関係がめちゃくちゃ大事だと感じることが多いです。
今回の内容をはずして、信頼関係が構築できていない状態でどれだけ頑張っても、クライエントさんは何を聞いても、何を伝えても、すれ違い…。
ソーシャルワーク実践がうまく前に進みません。
トラブル続きでクレームの連続になることもあります。
ソーシャルワーカーとして、一生懸命仕事を頑張ってるのに何をやってもうまくいかなくて空回り続き…。
さらに上司から「なにやってんだ!」と怒られてしまうことにつながります。
それっとほんとに辛いですよね…。
一方で、ソーシャルワーク実践において重要となる関係性(ラポール)が構築できていれば、クライエントさんの主体性を引き出すことができます。
あなたに本当に苦しかった心の内をうちあけてくれます。
「何が辛かったか」「どうしたいか」ということについてあなたはよく把握できますし、あなたのメッセージ・情報提供などもしっかり受け止めてくれます。
ベテランでも、新人ソーシャルワーカーでも、今回お伝えする3点を押さえている人はクライエントからの信頼はもちろん、上司や同僚からも信頼を集められます。
でも一方で3つのポイントをことごとく外して実践を続けると、仕事が嫌になってしまうくらい何をやってもうまくいかなくなります。
是非今回の内容から信頼構築のヒント を得ていただければと思います。
Contents
ソーシャルワーカーが信頼構築上手になる方法
それではソーシャルワーカーとしてクライエントさんとの信頼関係を構築する3つの秘訣をお伝えします。
早速紹介していきたいんですが、その前に信頼関係構築の超基本として次のことをご理解いただければと思います。
このことをしっかりとご理解いただければと思います。
目に見えるものだけを見て、そこで起こっている物事に対処しようと思っても無駄です。
なぜかというと、目に見えることは全体の情報の中のほんの一部だからです。
見えるものしか見ようとしない人は、物事をほとんど把握できておらず、信頼構築なんてできるはずがないんです。
私達は信頼関係構築力がないと仕事になりません。
そして言うまでもありませんが、もともと信頼関係は目に見えません。
福祉サービス・医療サービスなどは、もともと提供する価値そのものが「目に見えない」わけです。
提供するのは「モノ」ではなく「サービス」です。リンゴや魚や家電製品のように形ある「モノ」を販売するわけではありません。
提供する価値自体も、そこで必要な信頼自体も、目に見えないことばかり…。
実際、サービスを提供していると「利用者さんが転倒した」「苦情の電話がかかってきた」というようなことが起こってしまいます。
そういった事が起こるのを避けるために、しっかりと記録に残し、職員間で情報共有します。
もちろん、記録に書いてある文字や書類自体は目に見えます。
ただ、目に見える事象の背景には、「目には見えない何か」が必ずある んですね!
このように、私達は目に見えないものと常に向き合う仕事だということを確認した上で、「信頼関係の築き方」に話を戻してみましょう。
信頼関係はもともと目に見えませんが、目の前のクライエントさんとの関係には、「何となく感じるもの」があるはずです。
その「何となく感じるもの」を見ようとすること!さらにその背景を深く見ようとすること!
これがめちゃくちゃ大事なんですね!
心で見なければものごとはよく見えないってこと。大切なことは目に見えないんだよ。
これは、フランス作家、サン=テグジュペリが書いた「星の王子様」に登場する名言です。
目には見えない大切なものがある。
この「目には見えないものを見ようとする姿勢」がある人だけが、次から紹介する3つの秘訣が役に立つんですね!
ソーシャルワーカーの信頼構築力を高める3つの秘訣
それでは新人のソーシャルワーカーでも、クライエントとの関係性に悩んでいる方でも、一気に信頼構築上手になれるような3つの秘訣をお伝えします。
ポイントは以下の3つです。
1:自分の役割と本音
2:仕事のプロセスとゴール
3:クライエントへの興味・関心
順番に解説します。
ソーシャルワーカー信頼構築の秘訣1:自分の役割と本音
まずはあなた自身の役割と、あなたの本音を理解しましょう。
次に、とてもシンプルな2つの質問をします。
もしよければ、考えて答えを出してみてください。
「あなたの仕事はなんですか?」
「あなたは仕事が好きですか?」
この2つの質問です。
1つ目の質問は「医療ソーシャルワーカーです」「ケアマネです」「生活相談員です」…。
このようなことがぱっと浮かんできたかもしれませんが、そのようなことを聞きたいわけではありません。
お尋ねしたいのは「あなたが果たす役割」 です。
クライエントに対してあなたはどのような役割を果たすことが求められるているでしょうか?
なぜこのようなことをお尋ねするかというと、一生懸命自分のお仕事をこなそうとするあまり、自分の役割を見失ってしまうことがあるからです。
例えば医療ソーシャルワーカーであればクライエントに対してどのような姿勢で接するべきか?
ケアマネは?生活相談員は?
また、所属組織はあなたにどんな役割を期待していますか?法律の条文や制度において、あなたの役割はどのように規定されていますか?
あなたは今置かれている立場でどんな役割を求められ、どんな役割を果たしたいと思っていますか?
……………
一気にいろいろとお尋ねしてしまいました。
この「役割」について日頃から再確認すること…これがめちゃくちゃ重要だと私は考えています。
というのも、私達は日々の業務の中で忙殺されると、本当に大切なものを見失ってしまうことがあるからです。
自分の仕事や求められている役割が何だったかを見直していただくのは、今後のクライエントへの向き合い方に大きく影響します。
そして、もう一つの質問がありましたね?
仕事が好きかどうかということでした。
「あなたは、自分が求められている役割を果たすことについて、どのように感じていますか?」ということについて本音をお尋ねしたいんですね。
誰に打ち明けるわけでもありません。
でも、自分に対しては本音を打ち明けてあげてください。
自分に嘘を付くと、悩みや迷いが生まれてしまって、仕事をするのが苦しくなってしまうはずです。
もしかしたら、あなた自身がクライエントに対して果たしたい役割と、組織から求められる役割の間で悩み、葛藤の中で必死に自分の役割を模索しているのかもしれません。
まずは自分自身に素直に、「私って、仕事が好きなんだろうか…」ということを向き合って考えて、その仕事をしっかりとこなせる環境を整えること!
このことも信頼構築に重要だと私は考えます。
ここでお伝えした「役割について」「その役割を果たすことを望んでいるかどうかについて」「役割を果たせる環境かどうか」などについて考えることは、クライエントさんと向き合い、信頼構築をする上で非常に重要なんですね!
ソーシャルワーカー信頼構築の秘訣2:仕事のプロセスとゴール
続いて信頼構築の秘訣は「仕事のプロセスを理解すること」
その上で「ゴール」を理解してその達成に向けて行動をすること。
これがめちゃくちゃ大事です。
相談援助の展開過程などについては、国家試験対策などで学んだことがあるはずです。
また、日頃の業務の中で、仕事の流れについては理解された上で取り組まれていることと思うんですね。
そこで信頼構築に悩むときに、必要なプロセスを踏めているかどうか振り返っていただくと、いかがでしょうか?
当然ですが相手のこともよくわからず、アセスメントが中途半端な状態で、いきなり具体的なアドバイスをしようとしても、サービスと結びつけようとしても、うまくいきません。
それは「流れ」に沿っていないからです。
信頼を構築するのが先。
アセスメントが先。
必要な情報提供をするならその後ですよね?
でも、ついつい私達は焦って「情報提供」のタイミングを誤ります。(私も振り返って反省することがたくさんあります)
もちろん、虐待対応などのケースで時と場合によっては丁寧にアセスメントする時間の余裕もなく、介入を急ぐことがあります。
このように高い力量が求められる現場の最前線で、的確な判断ができる人は基本的な仕事のプロセスや自分の役割を理解しているはず です。
もしお手元に教科書・参考書などがあれば相談援助やケアマネジメントのプロセスを確認してみるとどうでしょう。
ググっていただいてもOKです。
そして流れを理解したら、大事なのは「ゴール」の意識です。
どんな仕事をするときも、ゴールを見失ってはいけません。
結果的に、ゴール達成ができるかどうかも重要ですが、そもそもゴールを意識して取り組んでいるかを確認することそのものが重要です。
この「プロセスの理解」と「ゴールへの意識」を再確認するだけで、信頼構築がうまくなりますよ!
ソーシャルワーカー信頼構築の秘訣3:クライエントへの興味・関心
最後に3つ目の秘訣としてお伝えします。
それは「クライエントへの興味・関心」をもつこと。
あなたが「クライエントの話を聞きたいと思っているか?」はそのままクライエントに伝わります。
「話してくれた言葉をキャッチしたい」という姿勢が実際に身振り手振りに現れます。
そして、「今話してくれたことは本心か?」「もっと言いたいことはないのか?」ということ考えて注意深く質問を重ねることができると、信頼構築が飛躍的にうまくなります。
ただこれは、クライエントへの興味・関心がなければできません。
このように相談をしていると、すごく頭を使います。
頭を使うと当然疲れます。そんな中でルーティーンワークの一部として相談をこなしていると、クライエントへの関心が薄らいでしまうこともあります。
ただ、クライエントにとって今目の前の面談がどのような意味を持つのか?
もしかしたら、クライエントがあなたの前に現れるとき、何らかの困り事や不安を抱えているかもしれません。
「この人に相談していいのだろうか?」「生活について根掘り葉掘り聞かれるんじゃないか…。」
このようなことを心の内側に抱えているかもしれない…。
そんなときに、数ある相談の一つとしてあなたが相談員として対応するのと、クライエントさんの表情を見るだけで不安を察知して場の雰囲気を変えるような言葉掛けをするのと、全然違いますよね?
もちろん、クライエントの心の内を正確に理解できるはずはありません。
でも、クライエントへの興味・関心があれば、「もしかしたら、こんな不安があるかも…」ということは感じられるはずです。
そのようなことを考えながら、一つ一つの質問をしていきます。
もちろん、そのときの自分の声色、自分の表情、目線などは自分でコントロールしてくださいね。
このような深い興味・関心を持って配慮ができるソーシャルワーカーは、クライエントのこわばった表情がみるみる笑顔に変わり、相談そのもので価値を生み出すような実践ができるんですね。
ソーシャルワーカー信頼構築上手になる練習
ここまで3つの秘訣をお伝えしました。
私もいろんなソーシャルワーカーを見ていて「スゴイ!」「圧倒的だ!」と思える人は今回の3つの秘訣をしっかり押さえているように感じます。
もう一度確認してみましょう。
1:自分の役割と本音
2:仕事のプロセスとゴール
3:クライエントへの興味・関心
そして、これらを意識する前提・基本的なこととして、「目に見えるものだけを見ていてはダメ」 ということもお伝えしましたね?
「なんだか、難しそうだなぁ」と感じた方もおられるかもしれませんね…。
でも、安心していただいてOKです。
おそらく、私達はどこまでいっても完璧なソーシャルワーカーになることはできません。
そんな中でコツコツ積み上げていくと必ずコミュニケーション上手になりますし、信頼構築が自然にできるようになります。
またコミュニケーションの機会は、日常の仕事・プライベートであふれるほどたくさんあるはずです。
その一つ一つのコミュニケーションで、今回お伝えした3つの秘訣を意識してみてください。
例えば、友人とお茶を飲んでいるとき、相談をされたとしますよね?
「友人に対してどう在るのか?」友人が悩んでいたとき、世界中を敵に回しても、友達の味方でいたいと思うのであれば、それがあなたの「役割」です。
そして、悩みを少しでも楽にさせてあげたいというのが「ゴール」でしょうか?
仮に友人が恋愛や仕事で悩んでいたとき、「そりゃ彼氏が悪いよ!」「え?最低な上司だね!」ということをいきなり言ってしまっていませんか?
まずはしっかり話を聞くことが大事ですね?
そして、友人がどうしたいのかを把握することも先。
友人の話をしっかりキャッチすることが先です。
そして、友人の表情はいつも通りですか?
それとも、元気がなさそうですか?
声のトーンは?メールやラインの文面でも、「いつもと違うな」と感じることがあるかもしれません。
このように相手に関心を持ち、接することが大事ですね。
このように、家族、友人、上司、同僚、関係機関…これら様々な関係性の中でコミュニケーション力上達や、信頼構築の訓練をすることはできます。
もちろん、仕事とプライベートで果たす役割は違いますが、信頼構築を上手にするスキルはどちらでも上達させることができます。
不安を感じていても、焦る必要はないですので大丈夫です。
ある意味で大切なのは笑顔とリラックスです。
深呼吸をして一つ一つ丁寧にコミュニケーションを意識的に変えてみましょう。
その試行錯誤こそが、あなたがソーシャルワーカーとして成長・進化を果たすために最も効果的な方法です。
そのような意味で、私も試行錯誤の最中です。
そして、ここまで記事を読み進めていただいたことに感謝します。
また、あなたがソーシャルワーカーとして信頼構築について真剣に考えているからこそ、ここまで読み進めていただけたのかなとも思います。
もし今回の記事の中から、少しでもお役に立てる情報が見つかったのであれば嬉しく思います。
今後も継続して情報発信していきますので、楽しみにしていただければと思います。
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