【社会福祉士・コーチ】まちづくり実践に学ぶ優しい関係づくりのコツ


こんにちは、森山です。
私はこれまでソーシャルワーカーやコーチとして、目の前のクライエントさんの言葉や思い、人生に向き合う仕事をしてきました。
その中で、「人が環境から受ける影響」についても向き合いながら、まちづくりや場づくり、関係性の調整などを行なっています。
私はまちづくりの専門家でもなんでもありません。
それでも自身の経験の中から感じることは、
「本当に人に優しいまちづくりは、薄っぺらい議論や計画化するだけでは動かないのではないか?
ということです。
そして、「支援や伴走も、単なる表面上の問題解決だけでは前に進まない。」と感じます。
支援の現場でも、地域の会議でも、
- 「結論を急がないと」
 - 「とにかく合意形成」
 - 「まず課題を整理しないと」
 
こんな言葉をよく耳にします。
確かに、課題整理や合意形成は必要ですが、それらの作業を急ぐために、クライエントを取り巻く問題がどんどん複雑化したり、本人の想いに全然耳を傾けてもらえない支援が展開されていくことになるとNGなはず…。
まちづくりも、「まちに関わるの人の声」を抜きにして、専門家や行政だけですすめられてしまった時、本当に豊かさ溢れる持続可能な街が作り上げられるかどうかは甚だ疑問です。
じゃあどうしたらいいの???
その辺りについて、今回は迫っていきたいと思います。
Contents
社会福祉士・コーチ・起業家の優しさ溢れる「まち」「関係」作り

私はこれまで「目の前の問題解決」に必死に取り組む中で、「こんなことをしていても意味があるのか?」と感じたことがあります。
というのも、「問題解決に取り組む」「とにかく頑張る」「時間と労力を割き続ける」ことで、一向に人の幸せが生み出されない支援やまちづくりの現場に立ち会ってきたからです。
なぜ泥沼化する支援やまちづくりが生まれるの?
なぜこのような状況になっているのか。
その理由を私のこれまでの学びや実践経験の中から紐解くと、現状を前提に問題を解く発想だけでは「現状維持の延長線の未来」しか描けないからだと思うんですね。
目の前の問題を解決しても、まだ形を変えて同じような問題が現れる。
ついには対処能力をどんどん失って、疲弊し切って心の中の優しさや余裕が失われてしまうわけです。
ゴールを抜きに問題にフォーカス→優しさと豊かさを失う
つまり、「私たちにとってのゴール」を抜きに、目の前の問題にばかりフォーカスをしていても、そのプロセスは楽しくもないし、本来の力は発揮されないし、協力関係も生まれにくい。
だから、「まず私は、あなたは、私たちは、何を理想とし、どこに向かうのか」ということを共有することが必要だと私は考えています。
ゴールを共有できた仲間と問題や課題を整理すること
理想を共有し、現状の問題についてしっかり向き合える人を「仲間」とした時、そこから協力関係が生まれていきます。
「問題や課題を整理する」「やるべきことに取り組む」「改善や修正を図りながら前に進むプロセスを幸せで豊かなものにする」ということができるようになる。
これこそが大事なのではないかと、ソーシャルワークやコーチング、まちづくりなどのプロセスからは感じるんです。
ソーシャルワーカー・対人援助職は土壌づくりの専門家

私が対人援助職として、「クライエントの人生が主体的に動き出した瞬間」に立ち会えたことが何度もあります。
これは、「自分でなんとかしなきゃ」という思いと「できないことは頼りあいながら前に進んでいこう」というような気持ちが「カチッ」と噛み合った時に生まれてくるのだと思うんですね。
信頼関係という土壌とコミュニケーション
このような「カチッ」と噛み合うためには「信頼」が重要だと私は考えています。
例えば、私が100%相手のためを思ってアドバイスをしたのに、「お前になんか言われたくないよ!」と言われてしまったことがあります。
一方で、「相手の話をうなづきながら聞く」ということをしていると、「あの時話を聞いてくれて本当に涙が出るほど嬉しかった」と言われれることもあります。
このことから「何をするか」ということも大事ですが「その2人の間の関係性がしっかりと信頼で結ばれているのか」ということが大事だということはよくあることですね。
信頼があるから協力しあえて積極的に行動できる
信頼関係がベースとして構築されるためには
- 自分の思っていることを安心して言葉にできた
 - 自分の思いが尊重された気がする
 - ここが自分の居場所だと感じた
 - こんな私の可能性を信じてもらえた
 
という経験が必要かもしれませんね。
そして、このような経験をどんどん生み出していくと責任の押し付け合いではなくて、理想を共有し、「できること」を互いに提案し合って、着実に前に進んでいくコミュニティや街ができてくるんです。
まちづくりやコミュニティづくりの土壌を育む
つまり、変化は関係性の土壌から芽吹くということが言えそうですし、この土壌とは「信頼」なのではないか?
- 安心してここにいられる
 - 自分らしさを発揮できる
 - 失敗してもいいから挑戦の機会がある
 
このようなまちづくりはどんどん前に進めます。
でも、
- 「失敗したらどうなるかわかっているだろうな」と脅される
 - 一部の声が大きい人のいうなりで従うしかない状態
 - ミスをしたらみんなの前で吊し上げられる
 
こんなまちづくりやコミュニティづくりの現場、対人援助を担う組織の会議などで少なからず見てきました。
これらの土壌がなければ、プランは形骸化し、問題解決に向けた意欲も、協力関係も生まれません。
議論と対話について整理する

私がまちづくりや組織の会議などで人と人が対立している場面を目にしたときに、「対話の場を作りませんか」と提案したり、小さくても安心して対話できる場を作ってしまうことがあります。
議論をして何かを決定し、進めていくのではなく「対話をすることに徹する場」です。
議論は手段を決めるために行う大事な意思決定の場
議論は「手段」を決めるための時間です。
まちづくりの現場でも、対人援助の現場でも、「決定すること」は大事です。
会議などで何も決まらなければ、その会議は意味がないですし次の行動につながらなければ問題がどんどん深刻化するかもしれません。
だから「意思決定をする」「どんな手段を採用するか選ぶ」という「議論」も大事。
対話は私たちがここに集まり話し合う意味と関係性を育む場
ただ私の経験からは、「そもそも私たちはなぜここに集まり議論をするのか」「それぞれどんな思いでここに集まっているのか」という対話をすることが抜け落ちてしまっている気もするんです。
対話は「出発点」を育てる時間です。
まちづくりでも、対人援助でも、
- なぜこの人たちと取り組むのか
 - どんな未来を見ているのか
 - その未来は誰の幸せにつながるのか
 - いまここにある希望は何か
 
ということが丁寧に耕さないまま議論を始めるとどうなるでしょうか?
関係がギスギスし始めたり、埋まることのない決定的な分断が生まれたり、排除しようとする動きが出始め流ことがあります。
これではいけませんよね?
対話を根っことして関係性の上に議論で枝葉を茂らせる
だから、対話を根っことして、関係性をしっかり育み、議論をすることでしっかりと枝や葉を茂らせていくこと。
この順番を間違えると、未来を想像していくような変革ではなく単なる疲労が生まれ蓄積されていきます。
問題解決ではなく未来から現在をつくる

私はソーシャルワーカーとしての実践が起業家・対人援助職としてのベースとなっているのですが、「ソーシャルワーク」は人と社会をつなぎ環境を整え、人が自分の力を取り戻せる場をつくる営みです。
また、もう一つ大切んしている実践の枠組みとしての「コーチング」は、現状維持の枠組みを超え、未来の視点から現在を再構築するアプローチと言えます。
だから、私が地域で行う実践は
問題にばかりフォーカスして疲弊し、他者とギスギスし合う関係を生むことではなく、共に未来を描き協力できる関係と支え合える環境を編み直すこと
を大切にしたいと考えています。
これこそが、対人援助職だからこそ実践できる「まちづくり」なのではないか?
まちを変える前に、関係の質を変える。関係が育てば、未来は自然と動き出す。
そんなことを思うんです。
まとめ 社会福祉士・コーチ・起業家のやさしいまちを作るコツ
対人援助職ならどなたでも実感されていることともいますが、「信頼」抜きに支援はあり得ません。
だからこそ私は、信頼をベースとした対話の場づくりのプロであり、人の内側から未来を生み出す専門家である役割をまちづくりの現場でも発揮できるはずです。
その力は、クライエント支援にも、地域づくりにも、組織づくりにも活かせます。
議論はまちを動かす力。
対話はまちを育てる力。
そして、対人援助職は未来の土壌をつくる人。
私たちが育てるのは、施策でも建物でもなく、人と関係と希望だと私は考えています。
あなたのまちや家庭、職場、組織などでは、どんな未来が芽吹こうとしていますか?
ぜひ、一緒に耕していきましょう。

現役社会福祉士による
心理学活用『場づくり講座』
〜動画講義&コーチング〜
職場・地域・家庭・友人との関係性…
私たちの悩み・問題の多くは「人と人との間」で起こり、私たちの心を蝕んでいきます。
マネジメントや人材育成、コミュニティ形成や場づくり、家庭内でのコミュニケーションや安定的な資源(資金・資産・関係性など)の確保について、
- なぜうまくいかないのか?
 - どうしたらうまくいくのか?
 - そもそも、どんな状態が理想なのか?
 
ということを「心理学」をベースに紐解いていきます。
ソーシャルワーカーとして、対人援助実践・まちづくり活動を展開してきた経験値と学びをギュッと凝縮してお伝えします!
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