【令和版】ソーシャルワーカー・社会福祉士の転職・退職理由を裏分析
ソーシャルワーカーの方の悩みや不安の解消、そして独立志向のある方の学びと実践をサポートしている森山です。
今回は社会福祉士が仕事を辞めた理由について、データを共有しそこから少し深掘りしてきたいと思っています。
[word_balloon id=”unset” src=”https://socialwork-coaching.com/wp-content/uploads/2022/09/880d52fa96efafebfd404238250bc004.png” size=”M” position=”L” name_position=”hide” radius=”true” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]ソーシャルワーカーを辞めたい…[/word_balloon]そう思ってしまったことはありませんか?
福祉現場での仕事がきついと感じる日々…。
他業界から転職してきたら給料が安くて驚いたという話はよく耳にします。転職を繰り返しているけど、どこも似たり寄ったりの状況で、今後の自分の働き方について不安と感じる人からの相談を受けることも多いです。
そこで今回は、社会福祉士・ソーシャルワーカーが所属している職場から転職・退職した理由をデータから紐解き、私なりの分析を加えてこれからの働き方について情報提要したいと思っています。
せっかく、社会福祉士の資格を取って働いているけど、仕事にやりがいが見出せないと感じている方も、自分らしく働いて毎日理想とする生活を営むことができる…そんな働き方・ライフスタイルに切り替えることができます。
逆に、これからも現状に不満があっても、我慢ばかりしていたらどうなるでしょうか?
10年20年あっという間に過ぎてしまって、「私って何をやっていたんだろう…」と後悔してしまう…。
それを避けるためにも、今回の内容はぜひ最後まで読み進めていただければと思います。
ソーシャルワーカー・社会福祉士の転職・退職理由
今回の記事では令和2年度の調査結果がまとめられている社会福祉士就労状況調査結果報告書の結果 の内容をご紹介します。
このデータを見て、「社会福祉士がソーシャルワーカーらしく活動できる環境が整えられているのか?」という疑問が私の中で溢れかえってきました。まずは実際の調査結果を見てみましょう。
順位 | 転職・退職理由 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 職場の雰囲気や人間関係に問題があった | 36.2% |
2位 | 給与や賃金の水準に満足できなかった | 28.9% |
3位 | 法人・会社の理念や方針に共感できなかった | 28.3% |
4位 | やりたい仕事ができなかった | 28.1% |
5位 | 心身の健康状態の不調 | 28.0% |
いかがでしょうか?
転職・退職理由について、1位から5位はこのようになっています。これらを見てどのように感じましたか?
実際、転職・退職理由をみると、ポジティブな表現が少ないように見えますね。
明るい未来を手に入れたいという思いを叶えることを理由として、転職や退職をするということは少ないようにこのデータからは読み解けそうです。
続いて6位以下を見てみましょう。
順位 | 転職・退職理由 | 割合 |
---|---|---|
6位 | より魅力的な職場が見つかった | 24.8% |
7位 | 将来のキャリアアップが見込めなかった | 23.7% |
8位 | 勤務形態が希望に沿わなかった | 20.2% |
9位 | 転居 | 12.9% |
10位 | 育児や介護の支援が得られなかった | 7.9% |
11位 | 人事整理、退職勧奨、法人解散等 | 4.9% |
12位 | 起業・開業 | 3.4% |
13位 | 副業・兼業ができなかった | 2.7% |
この6位から13位までのデータを見てみてもいかがでしょうか?
6位、13位あたりの「より魅力的な職場が見つかった」「起業・開業」あたりは内容によってはポジティブな側面があるかもしれません。
その他はどうでしょうか?
ネガティブに捉えられる理由が内容が圧倒的多数ですね。
ソーシャルワーカー・社会福祉士の職場は大丈夫?
ソーシャルワーカーは「生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける」 という役割を担います。
ただ、そのソーシャルワーク実践を行うべき役割にある社会福祉士自身が、生活課題といえるようなものを抱えているケースが非常に多いようにも見受けられます。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、エッセンシャルワーカーといわれる人たちには、大きな負担がのしかかっています。
もちろん、社会福祉士として働かれている方の中には、所属する組織に満足をしてやりがいを感じながら働かれている方も多いことと思うんですね…。
ただ一方で、転職や退職された方の背景には、
心身の健康を害し、人間関係にストレスを抱えて、法人の理念や方針にも共感できず、給料は低い…。
任される仕事はやりたい仕事ではなく、育児や介護の支援も受けられない。
キャリアアップも見込めず、副業や建業ができない。
このような状況になっている可能性がある…。
そこで、転職や退職という決断をされています。
その中には、悩みや苦しみの中で決断された方も多いのではないでしょうか?
ソーシャルワーカー・社会福祉士にとって大事なこと
私はソーシャルワーカーとしての仕事に誇りを持っています。私だけではなく、ソーシャルワークの意義や実践の価値について、強い想いをもっている方はたくさんいるはずです。
でも私は今雇われて働くという形ではなく、起業家として仕事をしています。このような決断をした理由は、先ほど見てきた転職・退職理由と重なる部分も多いです。
ただ、私としては、次のような想いをずっと抱いていました。
そのために、多様な専門性を持つ人やソーシャルワーカーたちと協力関係を結び、支え合い、高め合いながら行動したい。
たくさんの人がソーシャルワークに関する学びと実践を重ねて、一人ひとりの幸せを紡ぎ出していってほしい…。
今もこのような想いのもと、さまざまな情報発信を重ねています。
これからも多様な価値観を持つ人との協働のもと、行動を続けていこうと思っています。
ただ、その活動の中で、「社会福祉士は子どもたちから憧れの眼差しを向けられる仕事である」「社会で多くの人に価値ある存在だと人市されて働いている」というふうに断言しにくい現実があるのではないかと感じています。
その背景には、私も含めて一人ひとりが学びを重ねて実践の質を高めることが必要だとも感じています。
ただ、もう1つの要素として、社会福祉士がソーシャルワーカーとして、しっかりと活躍できる土壌が、必ずしも整えられていない現状 もあるような気がしています。
仮に、あなたが我慢しながら働かざるを得ない状況で、ずっと耐えて業務をこなしていたとします。その状態を続けているとどうなるでしょうか?
もしくは、将来のことを考えた時に不安を感じてつらくなる…。仕事や人生そのものに「やりがい」「期待感」「ワクワク感」「充実感」などを感じない。
これでは「社会に大きな価値を提供する」のは難しいでしょうね…。
私はこの状況に対して、「今すぐになんとかすべきではないですか?」と声を大にして言いたいです。
ソーシャルワーカー・社会福祉士としての自分を大事に
そこでまず自分自身のことです。大事なのは「自分にとってソーシャルワーカー・社会福祉士って何?」と考えて、その仕事・役割に情熱を持って働ける環境を選ぶこと。もし、そういう環境がなければ作り出すこと。
なぜこれらが大事かというと、「情熱がある」「やりたい」と思うからこそ、私たちは自分の能力の限界を超えた力を発揮できるから です。
目の前の業務を細かく細分化して、その1つ1つが「やりたいか」「やりたくないか」…。
このようなことにとらわれる必要はありません。
大事なのは「ソーシャルワーカーとしての役割を果たしたいか」ということであり、目の前の業務に向き合い直してみることだと考えています。
私たちは忙殺されると、つい大事なことを見失ってしまいがちです。
でも、「あなたが大切にしたいと感じているもの」を見失ってはいけない。
私はそう考えています。
だからこそ、ソーシャルワーク実践をするということがあなたが心から果たしたいと思える役割であるのであれば、環境を整えた上で仕事をこなすこと!
職場選びをするときに「給与面」「業務内容」などで選択するのもいいのですが、結局自分が心から納得した上で情熱と合致する業務に従事しない限り、仕事が苦痛になるのは仕方がないことだと考えています。
我慢を続けたままでの働き方では、楽しく仕事をしたり大きな価値を生み出せるようなアクションはできません。
自分の心の声に耳を澄ませた上で「これから何をすべきか」ということを判断をすることが大事だと思っています。
ソーシャルワーカー・社会福祉士を辞めたいと思った時
ここまで、社会福祉士としての仕事を転職したい・退職したいと思っている人が、実際に転職・退職という選択をした理由と、ソーシャルワーカーとしての業務をこなせる環境を整えることの重要性についてみてきました。
これらの内容を踏まえて、もし仮にあなたが今の仕事の状況が辛いと感じた時・辞めたいと考えている時に、私が大事だと思っているのは「心の内側から湧いてくる本音」です。
心を解放してあげて、「どうしたいの?」ということを聞いてあげる…。まずはそんな時間をとってみていただくのはいかがでしょうか?
そのときに「どうしたいの?」と尋ねるといくつかの言葉、考えが出てくるかもしれません。その時に、「Do」と「Be」を分けて考えてあげる のがコツです。
「Do」というのは実際の行動です。例えば、「相談業務」「計画作成」「介護業務」などで、もっと細かくいうと、「送迎業務」「身体介護」「面談」「会議の調整」などですね。
「介護業務ばかりしているけど、もっと相談業務を中心にした仕事がしたい。」というのは「Do」の話です。
「Be」というのは、「在り方」です。誰に対してどういう役割を果たす人でありたいのか…
例えば、「認知症高齢者とその家族の人生を支える役割を果たしたい」「すべての子どもたちが明日に希望を持って生きられるような社会を作るような仕事がしたい」といった感じです。
心の内側から「Be」の要素は出てくるでしょうか?
それが誰かから見て立派だと感じられることでなくてもOKですし、これまでやってきたことと全く関係なくてもOKです。
あなたが「本当に果たしたい「Be」」に出会えた時、いまするべき「Do」が自然に見えてきます。
特に迷いを抱えている方こそ、「Be」に目を向けてみてください。
本音がすぐに出てこなければ、ゆっくり深呼吸して、リラックスして上で少しずつ言葉にできそうなことからメモしてみてください。
そしてまずはご自身を大切に!
そういう意味でも、本音を解放してあげられる状況を整えるのは大切です。ひとりの時間を確保したり、気兼ねなく話せるひとと他愛もない話をすることも、重要なのではないでしょうか?
その中で、「これだ!」と思えるような役割を見つけることができて、それがソーシャルワーカーとして果たすべき役割と合致しているのであれば、働き方の選択肢として求人票や転職サイトなどで情報収集してみるといいかもしれません。
働きたいと思える候補がいくつかは見つかるかもしれませんよ!
もし、そういった職場候補が見つからないのであれば、自分でソーシャルワーク実践をするのもありです。
ちなみに私は起業するという決断をしました。その辺りのことはまた別の記事でもお伝えしてきますし、個別にお話しできる機会もあればいいなと思っています。
あなたがあなたらしく人生を送ること、そしてあなたが心から果たしたいという役割が、同じソーシャルワーカーとして共に手を携えていけそうなものであれば、ぜひ手を取り合って協働できればと思っています。
それでは今回お伝えする内容はここまでです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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