ソーシャルワークとコーチング|可能性を100倍引き出す科学的手法

こんにちは、森山です。
今回の記事は

コーチングって興味ある。私たちの仕事に活かせそうなのかなぁ…。

ソーシャルワークとコーチングの両方を本格的に学べる方法が知りたい。
そんな悩み・想いをお持ちの方にお伝えしたい内容となっています。

今回の記事では、
ソーシャルワーカーとしてクライエントの可能性を閉じないために、学んでおきたい大切なこと
について触れていきます。
今回の内容を押さえていただくことで、
- クライエント、クライエントさんを取り巻く地域の人たち、所属組織や連携機関の人たちからの厚い信頼を獲得することができる
- 仕事の人間関係で悩むことなく、実践スキルを高めつつ仕事の心理負担がどんどん下がっていく
- 自分だけで問題を抱えて辛くなり孤立する状態を防ぐことができる
このような状態になります。
仕事がどんどん辛くなる状態を予防するだけではなく、ソーシャルワーカーとして堂々と自分の仕事を全うするためにも、大事な情報を詰め込んでいます。
ぜひ最後までチェックしてみてください。
Contents
ソーシャルワーカーと認知科学をベースにしたコーチング

これからのソーシャルワーカーにとって、認知科学をベースにしたコーチング理論を学ぶことは、単なるスキルアップではなく、実践の質を守るために必要な学びになっていくと感じています。
なぜなら、私たちは支援という名のもとに、知らず知らずのうちにクライエントの可能性を狭めてしまうことがあるからです。
ソーシャルワーカーとして無意識に相手を傷つける?
もちろん、ソーシャルワーカーはクライエントを傷つけたいわけではありません。
- むしろ、少しでも力になりたい。
- 暮らしがよくなるように支えたい。
そう願って現場に立っている方がほとんどだと思います。
けれども、その思いが強いからこそ、自分の正しさや社会的な常識を、相手に押しつけてしまうことがあります。
社会の常識や法律・制度を押し付けていないか?
- こうしたほうがいい。
- 普通はこうするものだ。
- 今の状態なら、この選択肢が現実的だ。
一見すると、どれも親切な言葉に見えます。
しかし、その言葉がクライエントの内側にある願いや可能性を置き去りにしているなら、それは支援ではなく、思考を止める介入になってしまうかもしれません。
ソーシャルワーカーとして自己決定を大切にするということ
ソーシャルワークにおいて、自己決定はとても大切な原則です。
ソーシャルワーカーは、クライエントの代わりに人生を決める存在ではありません。
クライエント本人が自分の状況を理解し、自分にとって大切なことを見つめ、可能な選択肢の中から自分の人生を選び取っていけるように支える存在です。
もちろん、緊急性の高い危機介入や、本人や周囲に重大な危険が及ぶ可能性がある場合には、専門職として慎重な判断が必要になります。
けれども、そうした場面を除けば、ソーシャルワーカーがクライエントの自己決定の機会を奪ってしまうことは、支援の根本を損なうことにもつながります。
自己決定できる環境を整えること
ここで大切なのは、自己決定を、ただ本人に任せることと捉えないことです。
情報がないまま、孤立したまま、選択肢が見えないまま、本人に決めてくださいと迫ることは、自己決定の尊重ではありません。
むしろ、本人が自分の思いに気づき、状況を理解し、複数の選択肢を検討し、自分の人生に関わる決定に参加できるように環境を整えることが大切です。
自己決定理論からも学ぶことがたくさんある
さらに、自己決定理論はソーシャルワーク実践に多くの示唆を与えてくれます。
自己決定理論は、心理学者のエドワード・デシとリチャード・ライアンによって発展してきた動機づけの理論です。
この理論では、人がより主体的に行動し、心理的に健康に生きていくためには、自律性、有能感、関係性という三つの基本的な心理的欲求が満たされることが重要だとされています。
- 自律性とは、自分で選んでいる感覚。
- 有能感とは、自分にもできるという感覚。
- 関係性とは、他者とつながり、受け止められている感覚。
つまり、クライエントに自己決定の機会を提供することは、倫理的に大切であるだけでなく、本人の幸福度やQOLを高めるうえでも重要です。
認知科学をベースにしたコーチング:正解を押し付けない
ここまでの内容から、ソーシャルワークにコーチングを活かす意味が見えてきそうです。
コーチングは、クライエントに正解を与えるためのものではありません。
本人の内側にある願いを丁寧に扱い、自分で考え、自分で選び、自分の人生を少しずつ取り戻していくためのアプローチです。
ソーシャルワークにコーチングを活かすとは、クライエントにもっと頑張らせることではありません。
その人が本来持っている自己決定の力を取り戻せるように、情報を届け、選択肢を広げ、安心して考えられる関係性をつくり、必要な環境にも働きかけていくことなのだと考えています。
まずソーシャルワーカー自身が自分の枠組みに気づく

ソーシャルワーカーは、制度、法律、地域資源、家族関係、生活課題、心理社会的背景など、多くの視点を持っています。
それは確かに私たちの大きな強みであるとも言えますが、一方で注意が必要とも言えます。
注意!知識や経験が「押し付け」に変わっていないか?
知識や経験が増えるほど、支援者の中に無意識の枠組みも生まれます。
- このケースなら、この制度につなぐべき。
- この人には、まず生活を安定させることが必要。
- この状況で大きな夢を語るのは現実的ではない。
もちろん、アセスメントやリスク管理は不可欠です。
けれども、そこに支援者側の価値観が入り込みすぎると、クライエントの人生を、支援者が理解できる範囲に小さく収めてしまうことがあります。
セルフチェックを深く丁寧に行うこと
だからこそ、最初に必要なのはセルフチェックです。
- 私は今、相手の本当の願いを聴いているだろうか。
- それとも、自分が安心できる方向に導こうとしているだろうか。
- 社会的に望ましい選択肢を、本人の望みより優先していないだろうか。
- 本人の可能性ではなく、現在の困難だけを見ていないだろうか。
この問いを持つだけでも、支援の質は変わります。
ソーシャルワーカーを志した原点とゴールを見つめる
そして、もう一つ大切なのは、自分がなぜソーシャルワーカーになりたかったのかを思い出すことです。
- 困っている人を支えたかった。
- 人が人として尊重される社会をつくりたかった。
- 制度の狭間にいる人の声を聴きたかった。
その原点は、忙しい現場の中で見えにくくなることがあります。
だからこそ、ソーシャルワーカーを志した当時の記憶を思い出すことと、これからあなたが目指すべきソーシャルワーカー像に思いを馳せること。
これは、単に感傷に浸るということではなく自分自身の実践の方向性を取り戻すための、セルフコーチング実践とも言えます
ソーシャルワーカー自身がゴールを持つ

先ほど「セルフコーチング」という話をしました。
あたかも、自分が自分のコーチになったような感覚で、ゴール設定やエフィカシーの向上を日常的な思考に組み込んでいくということですね。
コーチングのゴール設定と具体的な目標設定を混同するな!
コーチングでいうゴールとは、単なる具体的な目標ではありません。
- 今月中に何件訪問する。
- この資格を取る。
- この事業を成功させる。
こうした目標も大切ですが、ここでいうゴールは、もっと深いものです。
具体的な目標ではなく現状の外側に「ゴール」を設定する
コーチングで重要なことは、
- 現状の延長線上にはない未来。
- 今の自分の役割や制約だけでは見えない未来。
- 本当はこういう社会をつくりたい。
- 本当はこういう支援者として生きたい。
- 本当はこういう人の可能性に関わりたい。
そうした、現状の外側にある複数のゴールを持つことです。
一つのゴールだけに縛られると、支援者自身のバランスが崩れます。
仕事だけ、家族だけ、社会活動だけ、学びだけ…。
そのどれか一つに偏るのではなく、暮らし、人間関係、仕事、学び、健康、地域、社会との関わりなど、複数の領域にゴールを持つ。
それは、私たち自身のQOLを守ることにもつながります。
自己効力感を高める|大丈夫。私ならできる
そして、そのゴールに対して、自分なら達成できるという確信度(自己効力感)を高めていくことが大切です。
心理学者アルバート・バンデューラが提唱した自己効力感ですが、これは「自分には行動できる」「やり遂げられる」という信念を指します。
自己効力感は、行動の選択、努力、粘り強さ、困難への向き合い方に影響するとされています。
つまり、支援者自身が、自分のゴールに対して自己効力感を育てていくことは、クライエントの可能性を支える姿勢にもつながります。
自分の可能性を信じる練習をしていない人が、他者の可能性を信じ続けることは、思っている以上に難しいものです。
セルフコーチングからクライエントへのコーチングへ

ソーシャルワーカーがコーチングを学ぶとき、いきなりクライエントに技法として使おうとするよりも、まず自分自身に実践することが大切です。
- 自分は何を望んでいるのか。
- どんな未来に向かいたいのか。
- 今の自分が当たり前だと思っている制約は、本当に絶対的なものなのか。
- どんな環境があれば、自分はもっと力を発揮できるのか。
こうした問いに向き合うことで、クライエントに問いを向けるときの質も変わります。
コーチングを小手先テクニックと捉えるのは勿体無い
コーチングは、相手を前向きにさせる会話術ではありません。
相手の中にある本当の願い、可能性、選択する力を尊重し、それが立ち上がる環境を整える関わりです。
「内側からのエネルギー」を引き出す
この点で、コーチングは動機づけ面接にも通じるところがあります。
動機づけ面接は、変化に迷いを抱える人に対して、本人の自律性を尊重しながら内発的な動機を引き出すエビデンスに基づく支援方法とされています。
ソーシャルワークにおけるコーチングも、相手を説得するためのものではありません。
相手が自分の人生を取り戻すための対話です。
ソーシャルワーカーだからこそできるコーチングがある

ここで大事なのは、コーチングを学ぶことで、ソーシャルワークの専門性が薄まるわけではないということです。
むしろ、ソーシャルワーカーとしての知識や経験値、独自性と、コーチングとが掛け合わせれて本領を発揮すると私は考えています。
ソーシャルワーク×コーチングの相乗効果
ソーシャルワーカーは人を個人の内面だけで見ません。
- その人の暮らし。
- 家族関係。
- 地域とのつながり。
- 経済状況。
- 住まい。
- 制度との関係。
- 差別や孤立。
- 社会的な構造。
そうした背景を含めて、人を理解しようとします。
コーチングとソーシャルワークの可能性を追求
コーチングが個人の内面にあるゴールや可能性に光を当てるものだとすれば、ソーシャルワークは、その可能性が発揮される環境にも働きかけます。
本人を変えるのではなく、本人を取り巻く環境も変えていく。
本人の努力だけに責任を押しつけるのではなく、社会資源、人間関係、制度、場のあり方にも介入していく。
ここに、ソーシャルワークコーチングの大きな意味があります。
実践的ソーシャルワーク×コーチング
具体的な実践に落とし込もうと思った時に、クライエントに夢を持ちましょうと言うだけでは足りません。
- その夢を語っても大丈夫だと思える関係をつくること。
- その夢を少し試せる環境を整えること。
- その夢を笑わずに聴いてくれる人を増やすこと。
- 失敗しても戻ってこられる場をつくること。
それらすべてが、ソーシャルワークにコーチングを活かすということなのだと思います。
可能性を閉じないソーシャルワーカーであるために|まとめ

ソーシャルワーカーは、クライエントの現実を見ます。
生活の困難も、制度の限界も、家族関係の複雑さも、地域の資源不足も見ます。
だからこそ、ときに希望を語ることが難しくなることもあります。
けれども、現実を見ることと、可能性を閉じることは違います。
むしろ、厳しい現実を知っているソーシャルワーカーだからこそ、現状の外側にある未来を共に見つめる力が必要なのだと思います。
Well-beingを高め、可能性を解き放つ存在として
私たちは、相手をこちら側の正しさに近づける存在ではありません。
その人が、その人の人生をもう一度選び直せるように支えること。
そして、その選択が孤立しないように、環境や関係性にも働きかけること。
そのために、ソーシャルワーカー自身が学び続け、自分のゴールを持ち、自分の可能性も閉じないでいること。
そこから、クライエントの可能性を解き放つ支援が始まっていくのだと思います。
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