【医療・福祉】ミーティングの質を高めるファシリテーションのコツ
今回は
医療・福祉現場での多職種連携会議・ミーティングの質を高めるファシリテーションのコツ
についてお届けします。
今回の内容を押さえていただくことで、
会議の進行を任されても、話がまとまらなかったり、全く意見が出なかったりする…どうしたらいいの?
という疑問に「ソーシャルワーク実践」「まちづくり実践」などの学びと経験からアンサーしていきます。
また
- 関係者間の調整をスムーズに行い、ミーティング参加者からの信頼を得ることができる
- 専門職や地域の方の想いを受け止め、クライエントさんのQOLを高めるための有機的な連携を生み出すことができる
- 会議への無駄をなくし、メンバーの貴重な時間を有意義な話し合いに充てることでチームに貢献することができる
このような状態になることができますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
Contents
多職種連携を進める上でファシリテーションの基本を押さえる
医療・福祉・介護現場でのミーティングでは、ファシリテーション能力を求められる場面が多々あることを実感しておられると思います。
とはいえ、
ファシリテーションに自信がない
と感じておられる方も多いことと思います。
そこで、まずはファシリテーションの基本を押さえつつ、課題を洗い出していきましょう。
ファシリテーションとは?
ファシリテーションとは、会議やミーティングを円滑に進め、メンバーの対話を引き出し、よりよい結論に導くことを言います。
このファシリテーションを行う人のことをファシリテーターと呼び、実際経験を重ねて高い技術を持ったファシリテーターの進行でミーティングの質はずいぶん高まります。
多職種連携を進める上でのファシリテーション
では専門性を持った多職種が連携し、情報共有を行いながら支援を展開する上において、効果的なファシリテーションをするためにはどのようなポイントに注意が必要なのでしょうか?
もちろん、人それぞれいろんな点をポイントとして挙げられるかと思いますが、私の経験からは、
ミーティングの目的を整理・理解し、ファシリテーターの役割を明確にすること、そしてメンバー全員に目的や役割を共有すること
だと考えています。
ミーティングの目的とファシリテーターの役割
そもそも、
「ミーティングは何のために行われるのか」
ということをメンバーが理解していないと、素晴らしい話し合いが行われて良い結論が出るわけがありません。
- みんな自分勝手に意見を言い合いまとまりを欠く
- ずっと誰か一人が喋っている
- ほとんど意見が出ず結論も曖昧なまま会議の時間が過ぎていく
こんな会議は嫌ですよね…
そこで、「このミーティングは何のためにするのか」ということを明確にし、「ファシリテーター」としてどんな役割を果たすかを示し、参加者の協力を持ってみんなでその場を豊かなものにしていくこと。
これがものすごく大事なんですね。
ミーティングにおけるファシリテーターの役割とコツ
ファシリテーターは
「チームの合意形成」のサポートと、「人と人との相互作用」を促進する役割
を担います。
具体的には、ミーティングのための準備や進行を担うのはもちろん、会議やチームの活動を円滑化するために役割を果たし、メンバーの発言を引き出すよう働きかけ、意見を受け止めながら話し合いの流れを整理していきます。
では、ここまでの内容を前提として、次に実際にミーティングを進める際のコツについてみていきましょう。
ファシリテーションのコツ:ミーティングの環境を整える
ではまず、ミーティングの環境整備についてみていきますね。
ゴールを共有する
まずは大前提ですが、
ミーティングのゴールを共有する
ということが大事です。
話し合う目的とゴール(目的地)をあらかじめ定めておくことで、方向性を見失ったり話し合いが脱線することを防ぐことができます。
ゴールがあ理それが共有されていることで、限られた時間内に深い議論を行い合意形成へと至ることができるんですね。
そこで、会議前や会議中に「ゴール」を全員で共有できるよう、ホワイトボードに書いておくなど工夫するのもいいですね!
専門職同士の関係を円滑にする
また、
多職種連携において専門職同士の関係にも気を配る
必要があります。
というのも、立場や前提知識によって一つの物事も異なる見方や捉え方が生まれるからです。
そこで、前提知識を共有したり、それぞれの専門性による見解を丁寧に共有することで、認識のずれを防ぐことができます。
会議の最初に簡単な自己紹介をするなどして、お互いのことを知っておくことも大事ですね。
話し合いの進め方を共有しておく
次に大事なのが
「話し合いの進め方を共有しておく」
ということです。
というのも、
- 今何の話をしているのかがわからなくなる
- 同じ意見が何度も挙がり話し合いが迷走する
- せっかくの意見がかき消される
ということのないように、事前に「何を話すか」「どういうステップで合意形成をするのか」ということを決めて共有しておきます。
もちろん、予定通り進められるかどうかはわかりませんが、しっかりと準備をしておくことでより良いファシリテーションができるわけですね!
内容を整理し共有する
ファシリテーターとして
話し合いの内容を整理して共有すること
も大事です。
というのも「決まったのか」「決まってないのか」が曖昧な会議や、「次の会議までに何をするのかが不明確」では、せっかく集まって話し合った意味がないと感じてしまいますよね?
そこで、「今回の会議で〇〇と〇〇が決まりました」「〇〇の担当者は〇〇さんです」「次回までに〇〇を行って報告をしてください」など、会議で決定したことを共有します。
このように会議の最後はもちろん、合間でもひとつひとつ決まったことを確かめながら進めていくことで、認識のずれが生まれてしまうのを防ぐことができますね。
ファシリテーションのコツ:発言を促す
またファシリテーターの重要な役割が、
「発言を促す」
ということです。
実際会議で発言を求めても「誰も何も言ってくれない」というふうに悩んだことはありませんか?
そのような時に役立つコツについてお伝えします。
論点を明確にして尋ねる
ファシリテーターが発言を促すときに
「論点を明確にして尋ねる」
ということが大事です。
なぜかというと、参加者としては曖昧に尋ねられると答えにくいからです。
また、曖昧な質問について、参加者が何らかの意見を出してくれたとしても、それを受けてファシリテーターとしては情報を整理しにくい状態も生まれてしまいます。
例えば、A案とB案が出されてどちらかに決めることが会議のゴールだったとします。
その時に、「A案についてどう思いますか?」と尋ねたり、情報が出揃っていないのに煮詰まっていないのに「〇〇さんはA案とB案どちらがいいと思いますか?」と聞いても、「う〜ん」となったり「答えにくい」と感じたりするわけですね。
そこで、
「今A案とB案が提示されていて、この会議でどちらかの案で決めたいと思います。そこで、まずはそれぞれの案について皆さんからの意見をもとに深掘りをして共有し、その後決定をしたいと思います。それぞれの案のメリット・デメリットなどについて、皆様からご意見はありますか?」
というように、「ゴール」を明確にして「何のために」「何を尋ねられているのか」がはっきりしているからこそ、意見を言いやすくなり話し合いの方向性を見失わずに済むわけですね。
発言の偏りをコントロールする
ミーティングでよくあるのが
「発言者が偏る」
ということです。
そこで、発言が少なかったり、発言していなかったりするメンバーには発言を促しましょう。
ただその際に「発言しにくい雰囲気」や「批判されそうな空気」があれば当然話しにくいので、配慮が必要です。
実際、発言者が偏る会議より、発言の量が均等である会議の方が良い結論を導き出しやすく、会議全体の満足度も高くなる傾向にあるとされているので、ファシリテーターとして意識するようにできるといいですね。
疑問点・不明点は曖昧にしない
会議の最中に、ファシリテーターとして「発言の意図や意味がわからなかった」ということがあれば、「すみません、今の発言は〇〇という理解でいいですか?」というように曖昧にせず確かめるようにしましょう。
また、参加メンバー内に疑問点・不明点を持つ方がいれば、適切なタイミングで質問をすることができるような配慮も大事ですね。
なぜかというと、疑問点・不明点が解消されないまま会議が続くと置いてけぼりになったり、認識のずれがどんどん広がり会議としてのまとまりがなくなるからです。
全体を見渡して、怪訝な顔をしているメンバーがいたら、「〇〇さん、質問などはありますか?」と声をかけてあげるのもいいですね。
対立意見も尊重したファシリテーション
ファシリテーターとして
意見が対立すること
を恐れてしまう方がおられます。
ただそれは「全員で目的やゴールを共有し、多様な意見を尊重する姿勢を貫くこと」で恐れる必要はなくなります。
ファシリテーターはゴールを見失わない
意見が分かれて対立しそうになった時は、
「私たちは何のために話し合いをして、何を決めるためにここにいるのか」ということを再確認
しましょう。
そして、互いの意見に耳を傾け合い、目的に資する決定ができるように建設的な対話の場を作るよう進行していきましょう。
反対意見なしの満場一致は危険な側面も?
逆に、反対意見がなくてスムーズに意思決定できれば、いいかというと、そうも言い切れません。
満場一致の結論だからこそ、それが優れた決定かどうかは非常に怪しいという部分もあるんです。
どういうことかというと、私たちは「みんながそれでいい」というと、「なんとなくそれでいいのかな」と深く考えることもなく賛同してしまう心理が働くことがあります。
このような意思決定は「重要なことを見逃す」「避けられるミスに対処できない」という事態を招き、避けるべきですね。
そこで実際に、あまりにもスムーズに決まりそうな時は、あえて反対意見を出してもらい、決定について検証をする時間を設けることもあります。
そうすることで、より慎重に優れた決定をすることができる可能性が高まるからです。
また、
この辺りは、ホワイトボードなどを使用して、可視化しながら丁寧に話し合いを進めると意見が整理しやすいですよ!
【医療・福祉】ミーティングの質を高めるファシリテーションのコツ まとめ
ここまで、
医療・福祉現場の多職種連携ミーティングの質を高めるファシリテーションのコツ
について情報提供してきました。
たくさんの情報量があったかと思いますし、全てを意識してファシリテーションをするのは難しい側面もあるかと思います。
そこは、経験を積みながら周りの協力を得て、ゴールを見据えて進行することが大事だと私は考えています。
ファシリテーターだからといって、全ての責任を背負い込む必要はなく、ゴールを共有して自分の役割を果たしていれば、きっと周りからのサポートを受けることもできてその場が助け合い支え合うような会議になりますよ!
それでは今回お伝えする内容はここまでとなります
最後まで読み進めてくださりありがとうございました。
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